今回は家庭で出来る新型コロナウイルスに有効な消毒方を紹介していきます。参考にしてください

 

ウイルスの種類について

エンベロープという脂質性の膜を持つウイルス(エンベロープウイルス)と持たないウイルス(ノンエンベロープ)があります

(SARAYA HPより引用)

 

新型コロナウイルスはエンベロープウイルスで、エンベロープはアルコール等によって破壊され、ウイルス自体も不活化(感染性をなくすこと)します。要は脂質性の膜を破壊できれば感染力がなくなるということです

(SARAYA HPより引用)


アルコール

アルコール濃度は70〜80%の商品が多いですが、北里大学大村智記念研究所 ウイルス感染制御学研究室I 片山和彦教授らの研究グループによると、

・試験系評価のために実施したエタノールについても試験結果を開示した。
水道水で濃度を調整した10%、30%、50%、70%、90%のエタノールの不活化効果。
接触時間:1分
・不活化効果あり:50%、70%、90%エタノール
・不活化効果なし:10%、30%エタノール

接触時間:10分
・不活化効果あり:50%、70%、90%エタノール
・不活化効果なし:10%、30%エタノール

■まとめ
エタノールは、50%以上の濃度であれば、接触時間1分間で十分なウイルス不活性化が可能だと考えられた。 不活化効果の確認された上記製品は、新型コロナウイルスの不活化に有効と考えられた。新型コロナウイルスの汚染が懸念される手指や硬質表面の洗浄の他、日常使用する衣類やリネン類の洗浄などに活用が期待できる。

北里大学大村智記念研究所より引用

と4月17日付けで発表されています。

しかしながら、今現在ドラッグストアでも品薄なアルコール商品。主に手指消毒に使い、その他のものには以下の消毒方を使いましょう

 


次亜塩素酸水

次亜塩素酸水とは、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)や塩酸(いわゆる酸)を電気分解する事により作られる「次亜塩素酸」を主成分とする水溶液の事。

アルコールより細菌やウイルスを死滅させる力が強いが、人体に影響が少ないのが特徴です。広いカテゴリーで使うことができます。

次亜塩素酸水は有機物と接触するとすぐに反応して効果を失ってしまうので、嘔吐物や排泄物に直接かけても全て殺菌することはできません。取り除いた後の仕上げにスプレーするのが効果的でしょう。

長期保存が難しく、紫外線によって分解されてしまうため、遮光性の容器でなければいけません。

次亜塩素酸水を無料配布している施設が全国にいくつかありますが、入れる容器に気をつけましょう。もし普通の容器しかない手に入らない場合はアルミホイルを巻きつけると紫外線を遮光できます。


次亜塩素酸ナトリウム

市販のハイターに含まれている次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めることで消毒液を作ることができます。ワイドハイター等の酸素系漂白剤はつかえませんのでご注意ください。内容成分表を確認して次亜塩素酸ナトリウムと表記されているものを選びましょう。

含有量は各商品によって異なりますが、厚生労働省のHPに希釈表が載っているので参考にしてください

少量で消毒に十分効果が期待できますが、注意点がいくつかあります。

  1. 使用時は手袋をして、万が一皮膚についた場合は、流水で十分にすすいでください
  2. 他の洗剤(特に強酸性のもの)と絶対に混ぜないでください。有毒なガスが発生する場合があります
  3. 材質によっては腐食することがあります。特に金属はサビたり変色する危険性があるので、しっかりと水拭きで拭き取るなどの処置を取りましょう
  4. 作り置きをしない。紫外線や空気により有効塩素が分解されますので、使うたびに作るようにしましょう

 

 

注意!

次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は別物です。どちらも新型コロナウイルスに有効ですが、次亜塩素酸ナトリウムは人体にも影響がありますので、取り扱いには十分お気をつけください

 


界面活性剤

台所洗剤に含まれる界面活性剤が、エンベロープの破壊に有効なのでは、という情報が出てきました。

今回発生している新型コロナウイルスは、SARSコロナウイルスと同じベータコロナウイルス属に分類され、新型コロナウイルスの遺伝子はSARSコロナウイルスの遺伝子と相同性が高く(約80%程度)、さらに、SARSコロナウイルスと同じ受容体 (ACE2)を使ってヒトの細胞に吸着・侵入することが最近の研究で報告されています。
すなわちSARSコロナウイルで得られた科学的知見を新型コロナウイルスに応用することで、基礎・応用研究を迅速に行うことができ、新型コロナウイルスのウイルス学的特徴を素早く明らかにすることができます。
(日本ウイルス学会HPより)

2002年に発生したSARSコロナウイルスも今回の新型コロナウイルス、どちらもエンベロープウイルスで、SARSに有効であった界面活性剤が新型コロナウイルスにも効果があるのでは?と研究が進められています

界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)
「おおむね1リットルのぬるま湯に対して5~10cc程度以上の台所用合成洗剤*を加えたもの。」

*効果が確認されているのは食器・野菜洗浄用の家庭用合成洗剤であり、成分として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを16%以上含むもの

感染症情報センターより引用

SARSに効果があった界面活性剤の種類も記載されていますので参考にしてください。新型コロナウイルスに関しての効果は確定されたものではありません

テーブルや家具などの物の表面を拭き取るのに適しています


熱水消毒

80℃のお湯に10分間漬け置くことで、消毒することができます。食器や衣類など、熱に強いものに使いましょう。

 

現状、アルコールが品薄、高騰していますが、大手メーカーがアルコール生産量を増やすという情報も出てますので、市場に出回るまでは、他の消毒法を使ってみてください。近所のドラッグストアは、ハイターはまだ在庫があるようでした

 

いまできることを、頑張りましょう